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キッチンライフ×コンテチーズ生産者協会 コンテ・マリアージュセミナー

2017年7月、東京「Tsukij Cooking Studio」にて料理教室を主宰する先生方を対象にした『コンテ マリアージュセミナー』が開催されました。フランスの伝統あるチーズ、「コンテ」の歴史や製法、食べ方などを専門家から学び、今後のレッスンで生徒さんにもその魅力を広く知ってもらおうと実施された企画です。講師としてお迎えしたのは世界最優秀フロマジェコンクール2013で優勝経験を持つフロマジェ・村瀬美幸氏。昨年開催された『パルミジャーノ・レッジャーノ×ワインのマリアージュセミナー』に続き、今回も熟成度の違うコンテの食べ比べ、さまざまな食材とのペアリング、ワインや日本茶とのマリアージュなどをたっぷり教えてくださいました。

  • コンテ
  • コンテ×サンドイッチ
  • 2種類のドリンク

講師紹介

村瀬 美幸氏

講師:村瀬 美幸氏

フロマジェ(チーズの専門家)。世界最優秀フロマジェコンクール2013優勝の経歴を持ち、現在はザ・チーズルーム アカデミー副校長、日本チーズアートフロマジェ協会理事をつとめる。国際線客室乗務員在職中よりチーズの奥深さに魅せられ、田崎真也ワインサロンでワインやチーズの講師、同支配人として知識と経験を積んだのち、チーズ専門店「フェルミエ」にて店長兼広報担当、小売販売事業部部長を歴任。2013年より現職。確かな知識と丁寧な技術指導に定評があり、チーズの魅力を初めての方にも分かりやすく伝えるとともにプロフェッショナル養成にも力を注ぐ。ヨーロッパ各地、アメリカ、オセアニアのチーズ事情にも精通し、チーズの歴史や食文化、最新トレンドをセミナー等で紹介している。J.S.A認定シニアソムリエ、シニアワインアドバイザー、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル資格所有。著書に「村瀬美幸のおうちでごちそう本格チーズクッキング(草思社)」、「10種でわかる世界のチーズ(日本経済出版社)」。

セミナー風景

「美味しいチーズで幸せな日々を」をモットーに、チーズのある豊かなライフスタイルを日々提案している村瀬美幸氏。2016年に開催され好評を博したパルミジャーノ・レッジャーノのセミナーに続き、今年はフランス産チーズ・コンテについてレクチャーしていただきます。

本日参加された10名の先生方は、フランスの家庭料理教室を始めパン、お菓子、イタリア料理主宰など実に多彩なジャンルに渡っています。関東近郊のほか中部、関西地方から来られた方もおられ、「フランスではどんな食べ方をしているのか」、「切って食べるだけではなく色々なペアリングを学びたい」とみなさんとても意欲的です。

テーブル中央に鎮座するのは、直径約60cm、高さ10cmからなる原寸大のコンテ。これは模型ですが、「現物はなんと40kg。このチーズ玉を作るのに、平均400リットルものミルクが必要になるんですよ」と村瀬氏。驚きの声が上がるとともに、スマホで写真を撮る方もいらっしゃいました。
コンテは、アルプスに近いフランス東部、フランシュ・コンテ地方で1000年以上前から作られている伝統あるハードチーズ。フランス産AOP(原産地呼称保護)チーズの中ではNo.1の生産量を誇ります。酪農家、チーズ職人、熟成士の分業制により毎日休むことなく作られるコンテはAOPの厳しい規則により、放牧用の土地の大きさから飼料の種類、搾乳の回数など、ミルク生産の各工程から細かなルールが設けられているのだとか。「添加物を一切加えず熟練の職人たちが丹精込めて作るコンテは、地域や季節、職人技、熟成期間などによって異なる個性を持つのが特長です」と、現地の画像を交えながら説明する村瀬氏のお話に、先生方は真剣に聴き入りメモを取っています。

レッスン

コンテ テイスティングレッスン

120日から、長いものは2年以上も熟成されるというコンテ。今回は6ヶ月以上と12ヶ月以上という熟成度の違うチーズを使って、テイスティング法の実習に移ります。「春・夏に作られたコンテは、放牧された牛がフレッシュな草花を食べるので、草に含まれるカロチンによりチーズの色が黄色っぽくなり、秋・冬は夏に刈り取った干し草を食べるため、白っぽくなります」と、色からも見分けるポイントがあるそう。

▲ 左の黄色っぽい方が、夏作りのより若いコンテ、
    白っぽい方が冬作りのより熟成したコンテ。

「チーズはカットしたてが一番華やかな香りがします。テイスティングの際は室温に戻したら表面をこそげ取りましょう」と村瀬氏。こうすることで香りを立てるだけでなく、真空パッケージのシワの跡まで取ることができるのだとか。先生方も実際に挑戦すると、ナッツをローストしたような芳醇なコンテの香りがスタジオ中に広がります。

カットしたチーズを手で触り、香りをかいで違いを確かめます。試食してみると、栗のようなホクホクした食感が。12ヶ月以上熟成の方はそれに加え、シャリッとした食感もあります。これはアミノ酸の結晶で旨味が詰まった証なのだそう。さらには皮の厚さなどから熟成度を見分ける方法も教えていただき、食べるだけでなく五感をフルに使うテイスティングの仕方を学びます。

そして今回はさまざまな食材を使って食べ合わせレッスンも。「皮つきのヘーゼルナッツなどのナッツやはちみつ、ダークチョコレートもおすすめ」という村瀬氏。はちみつはラベンダーなど濃厚タイプが良いそう。この日はほかにも、マリアージュする白ワインで作ったジュレもご用意くださいました。これが先生方に大好評!「作り方を知りたい」「生徒さんにお出ししたい」という声がたくさん聞かれました。「白ワインを沸騰させ、ふやかしたゼラチンと砂糖を加えて冷やし固めるだけなんですよ」と村瀬氏。ツルンとのど越しのよいさっぱりとした甘さと、最後に香るワインの華やかさはコンテとの相性もバッチリです。

コンテ×サンドイッチの食べ比べ

続いてはコンテ×サンドイッチで熟成の食べ比べレッスンへ。「指を切らないよう斜めにすべらせるのがコツです」と、スライサーの使い方から丁寧に教えてくださいます。

まずは6ヶ月以上熟成のコンテをスライサーで薄くスライスし、バターとマスタードを塗った食パンでサンドします。12ヶ月以上熟成は包丁でやや厚めにスライスし、パリッとした皮が香ばしいバゲットと合わせます。

さらにバゲットの上に6ヶ月以上熟成のコンテをのせてオーブンへ。「焼くときは若い方がいいですね。水分があるからよく溶けて伸びます」と村瀬氏。

デモのあとはいよいよ実践!先生方も手際よく作業を進めていきます。

2種類のドリンクとのマリアージュ

コンテと合わせるドリンクは2種類を用意。シニアソムリエ、シニアワインアドバイザーの資格を持つ村瀬氏が今回選んだワインは、コンテと同じフランスのジュラ山脈一帯で作られた白ワイン「ドメーヌ・クールベ コート・デュ・ジュラ シャルドネ」。さらには珍しい取り合わせとして、京番茶も用意してくださいました。「フランスではチーズに紅茶や日本茶といったフレーバーティーと合わせるのがブーム。今回はフランス人オーナーが東京にオープンした日本茶専門店“おちゃらか”さんから、京番茶をセレクトしました」。

いただきます!

試食の準備が整ったら、全員で「乾杯!」バゲットと合わせたコンテは、皮のパリパリ感とあいまってナッティーな香りが引き立ちます。また柔らかな食パンとの相性は予想以上!「簡単なのにおいしい!」「ぜひこれからも作ります」との声に、村瀬氏にも笑顔が広がります。 焼きたてのコンテのチーズ・トーストは熱々トロトロ!「これを食べたらもう普通のとろけるチーズには戻れなくなっちゃいますよね」と笑う村瀬氏に、深くうなずく先生方。
和やかな雰囲気のなか、ふくよかなワインの味わいや香ばしい京番茶とのマリアージュを堪能しました。

試食のあとは、先生方が「気になる」と話していた開封後の保存の仕方についてレクチャーが。ラップで包むとチーズににおいが移ってしまうので、アルミホイルで全体を包んでからラップにくるむのがおすすめだそう。さらに話題はテイスティング以外でのチーズの楽しみ方へ変わり、世界最優秀フロマジェコンクール2013で優勝した腕を持つ村瀬氏が目の前でプラトー(チーズの盛り合わせ)を作ってくださる場面も。「コンテはパルミジャーノ・レッジャーノと違い、皮は食べられません。テイスティングでは皮も重要な判断の要素ですが、普段楽しむなら一方の皮は取って三角にカットしてあげると初めての方でも戸惑うことなく食べられますね」と村瀬氏。

最後に「ワインを楽しむなら濃厚な熟成コンテを、若いコンテなら朝食につまんだり、良く溶ける特性を生かして熱を加えるなど、シーンに合わせた楽しみ方ができるのもコンテの魅力。その良さを生徒さんにも余すことなく体験させてあげてくださいね」と村瀬氏。今回セミナーに参加された先生方がそれぞれの教室で開催するコンテレッスンは9月からスタート!どんなレッスンになるのか、今から楽しみですね。

参加された料理教室の先生方の声

  • コンテの歴史や製法から、切り方、並べ方といった実践的な方法まで詳しく教えてくださいました。「熟成具合の違うコンテによってパンの合わせ方を変える」という方法も非常に勉強になりました。これから食べ方の幅がグッと広がりそうです。

  • 今までもコンテはよく食べていましたが、今回のセミナーに参加して印象が変わりました!クセがないのでどんな食べ方でもいいですね。とくに食パンで作るサンドイッチは本当においしかったので、ぜひ教室でも試してみたいです。

  • チーズの切り方はもちろんですが、熟成により味や舌ざわりがこんなに変わるのだと驚きました。生徒さんにも実際に体験してもらいたいですね。

  • コンテを薄くスライスして食べたことがなかったので、口溶けの良さに感動しました。またワインだけでなく、日本茶とのマリアージュがとても印象的でした。

  • はちみつ、ジュレ、チョコレートなど、ペアリング次第で雰囲気が変わるのが実感でき、とても楽しかったです。私の料理教室でも、食べ方によって楽しみがいくらでも広がるコンテの魅力を生徒さんにお伝えしたいと思います。