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キッチンライフ×パルミジャーノ・レッジャーノ ワインのマリアージュセミナー

2016年7月27日、おもてなし料理教室の主宰者限定の 『パルミジャーノ・レッジャーノ&ワインのマリアージュセミナー』が東京「Tsukij Cooking Studio」で開催されました。 参加された料理教室の先生方16名には、パルミジャーノ・レッジャーノを使ったレシピを考案いただき、 ワインと合わせたタイアップレッスンを実施していただきます。 今回のセミナーでは、世界最優秀フロマジェコンクール優勝経験をお持ちの村瀬美幸氏を講師にお迎えし、 パルミジャーノ・レッジャーノにまつわるレクチャーに加え、 かちわり体験+ワインとのマリアージュ、そしてクッキングデモ&試食と、盛りだくさんの内容となりました。

  • キャベツとポテトの ラザニア風
  • パルミジャーノ・レッジャーノの皮のポップコーン
  • 築地マグロの カルパッチョ

講師紹介

村瀬 美幸氏

講師:村瀬 美幸氏

フロマジェ。ザ・チーズルーム アカデミー副校長。日本チーズアートフロマジェ協会理事。世界最優秀フロマジェコンクール2013優勝。国際線客室乗務員勤務時代より、チーズの魅力、チーズにまつわる食文化に魅せられ、田崎真也ワインサロンでワインやチーズの講師、同支配人を歴任。チーズ専門店店長を経て、2013年より現職。「美味しいチーズで幸せな日々を」をモットーに、チーズのある豊かなライフスタイルを日々提案している。著書に「村瀬美幸のおうちでごちそう本格チーズクッキング(草思社)」、「10種でわかる世界のチーズ(日本経済出版社)」。J.S.A認定シニアソムリエ、シニアワインアドバイザー、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル資格所有。ヨーロッパ各地、アメリカ、オセアニアのチーズ事情に精通し、チーズの伝統のみならず、最新チーズトレンドをセミナーやイベントなどで紹介し、チーズの普及活動に邁進している。

セミナー風景

今回のマリアージュセミナーはフランス・トゥールで開催された第1回世界最優秀フロマジェコンクールで優勝された「世界一のフロマジェ」、 村瀬氏によるパルミジャーノ・レッジャーノのレクチャーからスタート。 セミナーにご参加された料理教室の先生方の中には、イタリアやフランスでチーズ工房やワイン蔵の視察の経験があり、 すでにかなりのチーズ&ワイン通の方もいらっしゃいます。 それでも「イタリアチーズの王様」パルメジャーノ・レッジャーノのファンを自認する村瀬氏ならではの見識が、そんな先生方をも驚かせていきます。

パルミジャーノ・レッジャーノは、北イタリアの限られた地域内で作られているDOP(原産地呼称保護)チーズ。厳しい品質管理を通過したものだけが市場に出ることを許されます。 9世紀以上の伝統を守りながら、熟練の職人たちが塩以外の添加物を使わずに手作りしています。「とはいえ、現場では、熟成中のチーズをひっくり返すロボットなどの最新技術も取り入れているんですよ!」という村瀬氏のレポートには、先生たちから驚きの声が上がります。

さらに、ホールチーズの硬い皮に刻まれた点文字や刻印、独自のラベルなどの読み解き方も紹介。「皮がある場合は、なるべくカーブのない(真ん中に近い)部分を選びましょう。上と下の角(かど)の部分より、真ん中に近い部分の方がしっとりしていて、格段に美味しいんですよ!」という購入の際のワンポイントアドバイスには、「同じお店で買ってもぱさつきが感じられたり、おいしさにばらつきがあったが不思議でした。これで納得!」と、先生方もどんどんチーズ通になっていきます。

レクチャーが一通り終了すると、待望のパルミジャーノ・レッジャーノのかち割り実演と体験がスタート。「イタリアではチーズを切るとは言いません。日本でお餅の『鏡割り』と同様に、チーズをかち割る(オープン)と言います」という説明の後、専用のアーモンドナイフでかち割りを村瀬氏が実演。スペシャルギフトのアーモンドナイフを手に、先生方もそれぞれかち割りに挑戦します。割れた瞬間に熟したパイナップルのような馥郁(ふくいく)とした香りが漂い、「いい香り!おいしいそう!」という声が会場のあちらこちらからもれ聞こえます。
今回は「マリアージュレッスン」と銘打つだけに、イタリアの気候や風土が育んだパルミジャーノ・レッジャーノには、同じ地域で醸されたワイン「ランブルスコ・レッジャーノ」をマッチング。かち割りチーズとともに味わいます。「同じ土地で産まれ育ったチーズとワインですから、相性が良くないわけがありません。このマリアージュをぜひ生徒さんにも体験させてあげて下さいね」と村瀬氏。試飲と試食を堪能する先生方からは、思わず笑みがこぼれ、会話も弾みます。

レシピの紹介

「キャベツとポテトのラザニア風」

パルミジャーノ・レッジャーノをすりおろしたり、スライスしてパスタやリゾット、スープ、サラダなどに使う手法は、出席されている先生方はすでにご承知のこと。そこで今回、村瀬氏が伝授したのは、パルミジャーノ・レッジャーノをなんと、「旨味調味料」として使う斬新な手法です。本場イタリアでは、なじみ深い使い方だそうですが、日本人には目からウロコのノウハウ。長い熟成の間に、独特の風味や食感、香り、白い結晶となって姿を現すアミノ酸をいわば隠し味に使うのです。日本料理で言えば、良質のアミノ酸が生み出す旨味の塊である鰹節というところでしょうか。お料理に深みと旨味が加わり、格段に本格的な味となるわけです。「すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノは、ラグーソースとホワイトソースに隠し味として投入します。さらに、硬い皮もとってもいい旨味が出るので、お出汁代わりに入れてありますよ」。
さらに、レシピ考案を視野に入れている先生方に対し、栄養学的観点からもアドバイスが。「パルミジャーノ・レッジャーノは良質なたんぱく質だけでなく、日本人に不足しているカルシウムがたっぷり含まれているのも特徴。普段の食事にたった20グラムほどパルメジャーノ・レッジャーノをプラスするだけで1日に摂るべきカルシウム量をクリアできます。ただし、ビタミンCや食物繊維は含有されていないので、野菜やフルーツと合わせて食べるとバランスが取れますよ」と村瀬氏。先生方もどんどん触発されて、熱心にメモを取っていらっしゃいます。
パルミジャーノ・レッジャーノの旨味あふれる2種類のソースには、ビタミンCと食物繊維たっぷりのキャベツとポテトのスライスを合わせるのが村瀬流。栄養面を補うだけでなく、パスタと合わせるのとは違った軽い仕上がりがポイントです。トッピングにはまろやかでとろりととろけるモッツアレラチーズをプラスし、カリッと焼き上がるパルミジャーノ・レッジャーノとの対比も美味しい一皿に。

パルミジャーノ・レッジャーノの皮のポップコーン

「簡単過ぎて、レシピと言うほどのものではないのですけれど」という前置きとともに紹介されたのが、「パルミジャーノ・レッジャーノの皮のポップコーン」。イタリアの料理本で見つけたというこのお料理は、パルミジャーノ・レッジャーノの皮7ミリほどの厚さを2、3センチ角に切り、600ワットの電子レンジで約1分間(4つ程度)するだけというもの。日本のポンせんのようなサクッとした風合いに生まれ変わります。あっと言う間にできる一品ですが、「皮を無駄にすることなく、最高のおつまみに生まれ変わりますよ」と、村瀬氏がイチ押しの知る人ぞ知るスペシャルレシピです。

築地マグロのカルパッチョ

パルミジャーノ・レッジャーノのスライスを深紅の色も鮮やかな築地マグロに合わせたカルパッチョは、相性抜群のバルサミコ酢、オリーブオイルに加え、しょう油とわさびがアクセント。マグロの赤を引き立てる緑の色もフレッシュなルッコラと絡ませていただきます。「カルパッチョという名前は、料理を考案したハリーズバーの地元、ベネツィアで知られていた画家から命名されたもの。赤の使い方が特徴的だったことからついた名前なので、今回は築地のマグロの赤を取り入れました。かつおでも美味しいですよ!」

いただきます!

お料理が出来上がり、村瀬氏の「乾杯!」の一声でお料理の試食が開始。

3品のお料理を味わいつつ、村瀬氏がテーブルに着席したのにあわせ、先生方もレクチャー中には聞けなかった質問を積極的に投げかけます。特に先生方が気になっていたのが「開封後の保存方法」。「ラップは意外ににおいがきついので、使用を避けてください。真空パックのフィルムやアルミホイルで丁寧に包み直す保存方法がおすすめです」という村瀬氏のアドバイスに、改めてチーズの世界の深さを実感する一コマも。すでにレシピ試作に思いめぐらしていらっしゃる先生方の姿が印象的でした。

参加された料理教室の先生方の声

  • 何と言っても、実体験を織り交ぜたわかりやすい説明が秀逸でした。パルミジャーノ・レッジャーノについて基礎知識はありましたが、村瀬さんのお話を聞くことで、生徒さんにも伝えたい情報がプラスできました。

  • おいしいとは漠然と思っていたけれど、生産の過程や歴史、こだわりを知ることで改めてパルミジャーノ・レッジャーノのファンになりました。この美味しさを生徒さんに伝えるべく、レシピ作りに励みます。

  • パルミジャーノ・レッジャーノを「旨み調味料」として使う手法にはびっくり。本場には本場の素材の使い方があるのだと実感しました。パルミジャーノ・レッジャーノそのものを全面に出さない調理法、ぜひオリジナルレシピに取り込みたいです。

  • いままで捨てるしかなかった「皮」の活用法には驚き。ソースに旨味を加えるだし素材としての使い方や、レンジでチンするだけのポップコーンのおいしさを知っただけでも、参加した甲斐がありました。

  • 同じ産地のチーズとワインのマリアージュ、とても幸せを感じました。この幸福感を生徒さんたちにお裾分けしたいです。いただいたアーモンドナイフでぜひ教室でかち割り体験会を開きたいと思います。

  • チーズにワイン、お料理も素敵でしたが、全国各地からお料理の先生方が集まっていて、素晴らしい情報交換の場になりました。村瀬先生との出会いはもちろん、ご一緒した先生方からも多いに触発されました。またぜひ参加させてください。